桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
休憩していた全員の声が重なった。
「どうして、彼氏欲しくないですか?」
「欲しくないわけじゃ無いけど……」
「じゃあどうして?」
うわーー。こう言う話しになると女子は案外に面倒くさい。この場をやり過ごすだけの言葉を美桜が口にする。
「だって仕事、楽しいじゃない」
それを聞いたナース達の顔が、ものすごく嫌そうなに歪んだ。ナースの仕事は責任も重いし、汚い仕事も多い、そして覚えることがものすごく多い。日々医療は進歩しており、やっと覚えたことも次の日には変わっていることもある。薬の名前はやたらと変わるし、同じ効き目の薬でもゾロ薬という物が存在し、名前が違ったりする。いわゆるジェネリック医薬品という物である。
最近よく聞くジェネリック医薬品の事をみんなは知っているかな?ここでジェネリック医薬品の説明をするね。
薬には特許期間という物が10年あります。その10年が過ぎた後に、別の会社が同じ有効成分で作った薬を、ジェネリック薬品と呼ぶ。新薬の特許期間が切れると、成分開示のため他メーカーも同じ成分の薬を、製造することが出来るんです。
1つの薬を作るまでにかかる年月は、10年から17年、費用は100億とも、500億とも言われている。途方もない年月と金額だよね。しかし、ジェネリック医薬品は特許期間が過ぎた薬を真似て作れるため、研究するまでの年月や費用、沢山の人件費などが必要なく、費用を安くして患者さんの元まで届ける事が出来ると言うわけです。
ともかく、看護学校を卒業しても勉強は続く。看護師を続ける限り一生勉強と言ってもよいと思う。そのため仕事命といった私の事を、皆が嫌な顔で見てくるのだ。