桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
「はぁーー」
美桜は溜め息を付いた。あーーダメだ。こんな沈んだ顔を皆に見せられない。美桜は手のひらで両頬をパチンと叩いた。
さあ、切り替えて……子供達の元に急がないと、少しでも日が傾けば気温は一気に下がってしまう。時間は無い。
美桜は子供達のいる談話室へと急いだ。普段入院中の子供達は談話室にいることが多かった。学生組は勉強時間があるため別室で勉強があるが、小さい子組は基本ここにいることが多い。
「みんな今日は天気が良いから外に出てみない?」
美桜の言葉に子供達の顔が、見る見るうちに輝き始める。
「ホントに!」
「いいの?」
驚きの声を上げる子供達に、美桜は笑顔で答えた。
「先生の許可はもらってきたから大丈夫よ。外に行きたい人?!」
「「「はーーい」」」