桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
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30分後、美桜達は談話室へと戻り、子供達にバイタル測定を行いながら、状態の観察を行っていた。
「はい。みんな大丈夫そうね。でも今日はいつもと違うことをしたわけだから、何かあったら看護師に報告をすること、わかったかな?」
「「「はーーい」」」
本当にみんな良い子達ばかり。
元気に返事をくれた子供達に微笑みながら美桜はその場を離れ、唯人の部屋へと向かった。唯人の部屋の扉をノックし、返事を待ってから部屋へと入る。すると満面の笑みを浮かべた唯人が迎え入れてくれた。
「あっ、美桜さん。シャボン玉すっごくきれいだったよ。紬ちゃんが後で写真見せてくれるって言ってたんだけど、楽しみだな」
「そっか今度は……。写真一緒に見ようね」
今度は一緒にシャボン玉をしようね。そう言ってあげたかったが、美桜はその言葉を飲み込んだ。
今度……今度が唯人くんにはあるのだろうか?唯人くんに今度は無いかもしれない。それほどに唯人の症状は悪化していた。
唯人の病室を出ると、唯人の母親に声を掛けられた。