この政略結婚に、甘い蜜を

零の口から出た甘い言葉に、店員や店内にいた人たちが頬を赤く染めて華恋を見る。まるで恋愛ドラマの主人公が言いそうなロマンチックな言葉に、華恋の胸も高鳴り、恥ずかしさから俯いてしまう。

華恋が黙ってしまったことで、零は店員と話し始め、ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーを何点も購入していく。

「素敵なものがあってよかったよ。出かける時、絶対につけて行ってね？」

零に微笑まれ、華恋は高価なアクセサリーを買ってもらった罪悪感を覚えつつ、「はい」と返事を返す。

一瞬、零は冷たさを感じる無表情になったものの、俯いていた華恋にそれは見えなかった。



それから数日後、華恋は傑に誘われて食事へと出かけていた。零には「女友達と食べる」と言ってある。

イタリアンのお店にて、零に買ってもらったネックレス、ブレスレット、アンクレット、そしてイヤリングをつけ、華恋は傑が座るテーブルへと近付く。