この政略結婚に、甘い蜜を
そう楽しそうに話すお客さんに相槌を打ちながら爪を綺麗にしていく華恋は、その時ふと思う。
(そういえば私、零さんにプレゼントを上げたことってなかったな……)
出会ってから、零は華恋に服やアクセサリーをたくさんプレゼントしてくれた。だが、華恋は零に一つもプレゼントを贈ったことはない。
(好きって気持ちをプレゼントに込めて渡そうかしら……)
幸いにも、三ヶ月後は零の誕生日である。だが、考え始めるとプレゼントをどうしようかと悩んでしまう。父親以外の異性にプレゼントを渡すなど、今までしたことがないのだ。
(バレンタインのチョコレートすら、男性に渡したことは一度もなかったわね)
そんなことを考えていると、お客さんが「花籠さん」と名前を呼ばれる。お客さんはどこかニヤニヤとしていた。
「新田(あらた)さん、どうされましたか?」
「いや、花籠さんってもしかして好きな人でもいるのかなって思って。恋してる女の子の顔をしてますから」
「え〜、そんなのわかるんですか?」
「わかりますよ〜!」
(そういえば私、零さんにプレゼントを上げたことってなかったな……)
出会ってから、零は華恋に服やアクセサリーをたくさんプレゼントしてくれた。だが、華恋は零に一つもプレゼントを贈ったことはない。
(好きって気持ちをプレゼントに込めて渡そうかしら……)
幸いにも、三ヶ月後は零の誕生日である。だが、考え始めるとプレゼントをどうしようかと悩んでしまう。父親以外の異性にプレゼントを渡すなど、今までしたことがないのだ。
(バレンタインのチョコレートすら、男性に渡したことは一度もなかったわね)
そんなことを考えていると、お客さんが「花籠さん」と名前を呼ばれる。お客さんはどこかニヤニヤとしていた。
「新田(あらた)さん、どうされましたか?」
「いや、花籠さんってもしかして好きな人でもいるのかなって思って。恋してる女の子の顔をしてますから」
「え〜、そんなのわかるんですか?」
「わかりますよ〜!」