この政略結婚に、甘い蜜を

だが、突然結婚させられることになる華恋が二人きりで結婚式など気まずく感じてしまうのではないかと零は考え、たくさんの人を招待することに考え直したのだそう。

「あの時から、零は君にベタ惚れだったんだね」

龍羽に言われ、華恋の心臓が大きく跳ねる。あの豪華な結婚式は、全て零が華恋を喜ばせてあげようと必死に考えたものだったのだ。だがーーー。

（私、零さんとの誓いのキスを拒んでしまった……）

結婚式で一番大切な誓いを、華恋はできていない。あの時の零の悲しげな顔を思い出し、華恋は決意する。

「お義兄さん、私、零さんにサプライズで結婚式をプレゼントしたいです！」

華恋がそう言うと、龍羽は「本当に！？」と驚いた顔を見せた。

「結婚式の準備って、何度も打ち合わせをしなくちゃいけないから零に気付かれないようにするの、大変だよ？」

「大丈夫です！絶対に隠し通して、零さんにサプライズします。そこで、きちんと想いを伝えます」