この政略結婚に、甘い蜜を
(結婚式はしたけど、打ち合わせなんて一度もしていないわ。こんな感じなのね)

軽くウェディングプランナーと話した後、挙式場を見学することになった。長い廊下を歩いて木製のドアをウェディングプランナーが開ける。そこに広がる景色に華恋は思わず「わぁ……!」と呟いてしまった。

美しい緑が飾られたバージンロードを可愛らしいランプが照らしている。そして、ガラスの向こうには美しい自然の風景が広がっている。祭壇で愛を誓う瞬間は、まるで映画のようなロマンチックな光景になるだろう。

「素敵です!」

華恋が目を輝かせながら言うと、「華恋さんも気に入ってくれてよかったよ」と龍羽が隣で頷く。

挙式場をあとにしてからは、式場の予約を取り、次回からは本格的な結婚式に向けての準備に取りかかることとなった。

「零さん、喜んでくれるといいですが……」

「きっと喜ぶよ。最愛の人のウェディングドレス姿をもう一回見れるんだからね」
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