この政略結婚に、甘い蜜を
2、初デート
重い空気の中、食事を終えた華恋に両親から言われたのは、「二週間後には二人の結婚式がある」ということだった。華恋の知らないところで、結婚式の準備まで進められていたのだ。だが、華恋はもう驚くことも、何も感じることはなかった。

「勝手に結婚式の話、進めちゃってごめんね。でも、華恋が素敵だと思える結婚式になると思うから」

帰りの車の中で、零にそう言われたものの、華恋は「はぁ……」と薄い反応しか返すことができない。あまりにも勝手に全てが進められていて、もう何も感じられなかったのだ。

入籍は二週間後の結婚式が終わった後にすることになっており、華恋と零の関係はまだ夫婦ではないのだが、父が「もう結婚するんだから」と言い、華恋はプレゼントされた家で暮らすことになってしまう。

ほとんど会話のないまま帰宅し、お風呂を沸かしている間、華恋はあまり家の中を見れていなかったなと思い、家の中を見て回ることにした。
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