この政略結婚に、甘い蜜を
番外編2 僕のお気に入りの時間
それは、華恋が明日の仕事に着ていく服を準備している時だった。その様子を見ていた零が、「そういえば」と声をかける。
「華恋の仕事ってネイリストだよね?」
「はい、そうですよ」
「華恋はネイルしないの?」
零に言われ、華恋は自分の手を見つめる。お客さんの爪にマニキュアを塗ったり、ネイルパーツをつけて華やかにするものの、華恋の爪には何もつけられていない。
「ネイルしていたら、家事ができなくなるような気がしてしたことがないんです」
華恋がそう言うと、零が近付いてくる。そして何も塗られていない爪を見つめ、「僕が塗ってもいい?マニキュア」と言った。
「私、マニキュアなんて持ってませんよ?」
華恋がそう言うと、零は「実は買ってきたんだ!」と言い服のポケットから新品のマニキュアを取り出す。人気ブランドのものだ。
「ねぇ、ダメ?」
子犬のような瞳で見つめられ、華恋には「断る」という選択肢が一瞬にして消えてしまった。
「華恋の仕事ってネイリストだよね?」
「はい、そうですよ」
「華恋はネイルしないの?」
零に言われ、華恋は自分の手を見つめる。お客さんの爪にマニキュアを塗ったり、ネイルパーツをつけて華やかにするものの、華恋の爪には何もつけられていない。
「ネイルしていたら、家事ができなくなるような気がしてしたことがないんです」
華恋がそう言うと、零が近付いてくる。そして何も塗られていない爪を見つめ、「僕が塗ってもいい?マニキュア」と言った。
「私、マニキュアなんて持ってませんよ?」
華恋がそう言うと、零は「実は買ってきたんだ!」と言い服のポケットから新品のマニキュアを取り出す。人気ブランドのものだ。
「ねぇ、ダメ?」
子犬のような瞳で見つめられ、華恋には「断る」という選択肢が一瞬にして消えてしまった。