この政略結婚に、甘い蜜を
挙式場内が拍手で溢れ、一組の家族が誕生したことを喜ぶ。そんな中を、華恋は零の腕に軽く触れ、歩いていく。隣をチラリと見れば、零は先ほどの悲しげな顔など嘘のように、友人たちに笑顔で手を振っていた。
(どうして、「悲しい」なんて言いたげな顔だったの?)
浮かび上がったその疑問を、華恋は訊ねることはできなかった。
挙式が終わった後は、隣にある披露宴会場にて披露宴が始まる。ピンクと白を基調とした可愛らしい会場には、美しい季節の花々が飾られ、とても華やかである。
華恋の好きな苺が零れ落ちるようなデザインの豪華なウェディングケーキの入刀が終わると、会場は一気に騒がしくなる。
「いやぁ〜、まさか花籠グループのお嬢さんとうちの息子が結婚だなんて、夢のようです!」
「うちの息子、全く結婚に興味なさそうだったから、この話が来た時は本当に驚いて……」
用意されたワインを零の両親が飲みながら、華恋の両親とにこやかに話している。華恋は結婚前に零の両親に挨拶のため、一度会ったのだが、その時もこのように喜んでいた。
すると、零と同じくらいの身長で、零と同じ目をした華やかな顔立ちの男性が間に入る。
「父さん、母さん、いくらお祝いの場だからって飲み過ぎだよ」
(どうして、「悲しい」なんて言いたげな顔だったの?)
浮かび上がったその疑問を、華恋は訊ねることはできなかった。
挙式が終わった後は、隣にある披露宴会場にて披露宴が始まる。ピンクと白を基調とした可愛らしい会場には、美しい季節の花々が飾られ、とても華やかである。
華恋の好きな苺が零れ落ちるようなデザインの豪華なウェディングケーキの入刀が終わると、会場は一気に騒がしくなる。
「いやぁ〜、まさか花籠グループのお嬢さんとうちの息子が結婚だなんて、夢のようです!」
「うちの息子、全く結婚に興味なさそうだったから、この話が来た時は本当に驚いて……」
用意されたワインを零の両親が飲みながら、華恋の両親とにこやかに話している。華恋は結婚前に零の両親に挨拶のため、一度会ったのだが、その時もこのように喜んでいた。
すると、零と同じくらいの身長で、零と同じ目をした華やかな顔立ちの男性が間に入る。
「父さん、母さん、いくらお祝いの場だからって飲み過ぎだよ」