この政略結婚に、甘い蜜を
「お待たせ」

荷物を預け終わり、戻ってきた零に華恋は何もないように無理やり笑い、ソファから立ち上がった。

ホテルを出た華恋が零に連れて行かれたのは、本場のディズニーランドだった。明るくて陽気な音楽が響いている。

「本場のディズニーランド、華恋が行きたいってお義母さんから聞いて」

ニコリと笑う零の言葉は嘘ではない。結婚する一年前、テレビで本場のディズニーランドの映像を家族と見ていて「行きたいな」と華恋は呟いたことがあった。

「はい、ずっと行きたいって思ってて……」

本場のディズニーランドに来られるとは思えず、華恋の胸が高鳴っていく。

「じゃあ、行こうか」

零に手を取られ、華恋は夢の国へと足を踏み入れた。



その後、アトラクションに乗ったり、パレードを見たり、お土産を買ったりして華恋は楽しい時間を過ごした。

ディズニーランドのレストランで夕食を済ませた後、華恋と零はあの高級ホテルへと戻る。ホテルを前にするとまた華恋は緊張に襲われたが、零に腕を取られて中に連れて行かれる。
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