この政略結婚に、甘い蜜を
そして、華恋たちは小等科を卒業して中等科へと進む日が来た。一年生のクラスは仲のいい友達と傑が一緒で、華恋は「やった!」と友達と喜び合う。
(せっかく五百雀くんと同じクラスになれたんだもん。もう少し、彼と仲良くなりたいなぁ)
席は五十音順のため、傑からはかなり遠い場所になる。だが、席が離れていても華恋は挨拶はするように心がけていた。
「五百雀くん、おはよう」
「……はよう」
そんな日々が半年ほど続き、華恋たちの通う学園では学園祭が近付いてきていた。毎日、生徒たちは準備に大忙しである。だが、学園全体が盛り上がる行事のため、みんな楽しそうに出し物の準備などに取り組んでいた。もちろん、華恋もその一人である。
「使わないもの、空き教室に運んでおくね」
華恋はダンボール箱に入れられた道具を抱え、言う。飾り付けなどをしている友達が「お願い!」と返したため、華恋はダンボール箱を抱え、廊下を歩く。
お金持ちしか通うことが許されないこの学園だが、一般人の感覚も知ってもらおうと学校行事は生徒が準備をすることになっている。
(せっかく五百雀くんと同じクラスになれたんだもん。もう少し、彼と仲良くなりたいなぁ)
席は五十音順のため、傑からはかなり遠い場所になる。だが、席が離れていても華恋は挨拶はするように心がけていた。
「五百雀くん、おはよう」
「……はよう」
そんな日々が半年ほど続き、華恋たちの通う学園では学園祭が近付いてきていた。毎日、生徒たちは準備に大忙しである。だが、学園全体が盛り上がる行事のため、みんな楽しそうに出し物の準備などに取り組んでいた。もちろん、華恋もその一人である。
「使わないもの、空き教室に運んでおくね」
華恋はダンボール箱に入れられた道具を抱え、言う。飾り付けなどをしている友達が「お願い!」と返したため、華恋はダンボール箱を抱え、廊下を歩く。
お金持ちしか通うことが許されないこの学園だが、一般人の感覚も知ってもらおうと学校行事は生徒が準備をすることになっている。