【短編】色褪せない夢
「ねぇ、いいでしょ?
ぼくこれからもすぅちゃんと一緒にいたいなぁ…?」
コテン、という効果音と一緒に上目遣いでこちらの様子を伺ったのは幹部だと言う日向(ヒナタ)。
髪は綺麗な赤色で、名前の通りみんなを照らしてくれる人。
「純恋さんがいると安心できますからね」
いつも敬語だったのは情報屋の優雨(ユウ)。
騒がしい冷沙のみんなを、一歩引いてニコニコ笑って見守っているまるで親のような人。
「おれも、、純恋がいると、嬉しい」
ちょっぴりツンデレをかましてきたのは瑠夏(ルカ)。
課外授業が始まる前は、私がいることにずっと不快感を抱いていたらしく、
たしかに思い返せば、ずっと無視されていた。
だけど4日目くらいからかな、急に優しく接してくれるようになった。
「その無言は肯定と捉える」
「わわっ、え、まって、ちょっ、、」
突然のことで頭が真っ白になり、何も答えられないわたしに痺れを切らした瑞樹は、私を軽々と担いで迎えのバスに放り込んだ。
当たり前のように隣に座ったのは大翔。
混乱している私の手を取って
「俺たちに守らせて?」
そう言って、
私の返事は聞かずに彼は普通に寝てしまいました。
え??もしかしてこれ、本当に拒否権がないやつ?!