【短編】色褪せない夢


それからは早かった。
遠方に住むおじいちゃんが会いに来てくれることになったから1ヶ月ほど、普通の生活を送ったのだけど。

姫を辞めたもんだから、全女子生徒からのストレス発散に付き合わされた。

冷沙のメンバーからは無視されて、先生方も面倒事は嫌いだと、
私はどこにいても1人になった。

ようやく、おじいちゃんと再会して、
理事長に退学届を出した。

理事長先生は私の身の潔白を証明するために、色々と動いてくれていたみたい。
私がこれまでに話してきたことを、沢山教えてくれた。

「こんなことを言う資格はないかもしれないが、どうか、幸せになれよ」
最後に見た理事長の涙は、とても綺麗だった。



来てくれる確証はなかったけれど「会いたい」と言って大翔を呼び出した。

大翔は来てくれて、たくさん抱きしめてくれた。

- 大好きだったよ、
ずっと味方でいてくれてありがとう -
それを直接伝えることはせずに、

私はまたね、と笑ってみせた。

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