ヒーローが好きな私が好きになった人
「よく刃物を持った犯人を取り押さえられましたね」
警察官が感心したように笹本くんに尋ねる。
「慣れてますから」
笹本くんは、事もなげに答える。
慣れてる?
こういう状況に?
そんな人いるの?
私は疑問に思いながらも、この状況ではいつものように雑談も出来ず、黙って笹本くんを見つめていた。
あの時は、怖くて何も考えられなかったけど、カウンターを跳び越えて犯人を取り押さえる笹本くん、めっちゃかっこ良かった。
それこそ、ガンクーダンもかくや!ってくらい。
あの時のことを思い返すだけで、なんか胸の奥がキュンキュンする。
私、もしかして、笹本くんのこと好き?
私は想像もしてなかった自分の気持ちの変化に戸惑いを隠せない。
そして、自分の気持ちを自覚してしまうと、笹本くんを見ることさえ、うまくできない。
目が合うとどうしていいか分からなくて……
でも、笹本くんが気になる私は、お互いに少し離れて警察官からの質問に答えながらも、さりげなく、時々ちらりと彼の方を眺める。
けれど、彼と視線が合いそうになると、つい無意識に、ふいっと目を逸らしてしまう。
27歳にもなって、私は中学生か!
自分でも呆れるけれど、どうしようもない。
その時、笹本くんたちの会話が耳に入って来た。
「ここは週3回のアルバイトなんですね? 他にお仕事は?」
それが事件に何の関係があるのか分からないけど、警察官が笹本くんに尋ねる。
「本業はアクション俳優をしています。と言っても、売れてないので、顔が見えない役がほとんどですが」
えっ?
言ったら、変な視線を浴びる仕事ってアクション俳優!?
「ほう、テレビなんかにも出られるんですか?」
警察官は興味深そうに手を止めて尋ねる。
私はもっと聞きたかったけれど、こちらでも質問されているので、それ以上は聞けなかった。
警察官が感心したように笹本くんに尋ねる。
「慣れてますから」
笹本くんは、事もなげに答える。
慣れてる?
こういう状況に?
そんな人いるの?
私は疑問に思いながらも、この状況ではいつものように雑談も出来ず、黙って笹本くんを見つめていた。
あの時は、怖くて何も考えられなかったけど、カウンターを跳び越えて犯人を取り押さえる笹本くん、めっちゃかっこ良かった。
それこそ、ガンクーダンもかくや!ってくらい。
あの時のことを思い返すだけで、なんか胸の奥がキュンキュンする。
私、もしかして、笹本くんのこと好き?
私は想像もしてなかった自分の気持ちの変化に戸惑いを隠せない。
そして、自分の気持ちを自覚してしまうと、笹本くんを見ることさえ、うまくできない。
目が合うとどうしていいか分からなくて……
でも、笹本くんが気になる私は、お互いに少し離れて警察官からの質問に答えながらも、さりげなく、時々ちらりと彼の方を眺める。
けれど、彼と視線が合いそうになると、つい無意識に、ふいっと目を逸らしてしまう。
27歳にもなって、私は中学生か!
自分でも呆れるけれど、どうしようもない。
その時、笹本くんたちの会話が耳に入って来た。
「ここは週3回のアルバイトなんですね? 他にお仕事は?」
それが事件に何の関係があるのか分からないけど、警察官が笹本くんに尋ねる。
「本業はアクション俳優をしています。と言っても、売れてないので、顔が見えない役がほとんどですが」
えっ?
言ったら、変な視線を浴びる仕事ってアクション俳優!?
「ほう、テレビなんかにも出られるんですか?」
警察官は興味深そうに手を止めて尋ねる。
私はもっと聞きたかったけれど、こちらでも質問されているので、それ以上は聞けなかった。