願わくば溶けて
願わくば溶けて




「うぇっ、ぐっ、弘人(ひろと)さーん」



「…… 今日もよく泣いてますね」



玄関を開けると居たのは泣きじゃくる1人の少女。



「駄目だったー」



「…… うーん、何が、とか訊きたいことは色々ありますがとりあえず」



周りを見ると何事かと見てくるご婦人方が何人か。



「ここじゃ僕の体裁も悪いので中に入って下さい」



少し眉を下げてそう言うと彼女は慌てて



「あっ!すっ、すいません!そうですよね!すいません!」


ペコペコと頭を下げてくる。

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