願わくば溶けて
んっ、いや。待てあれ!?
女の子の手元をよく見るとなんと持っているのは鍵なんかではなく黒色のピンのようなものだった。
えっ、何?泥棒かなんか?
いや、いや!こんな自己主張の激しい泥棒いるか?
女の子の服装はここでは有名な学生服だった。
この格好で泥棒ってあり得るのか?
でも、先入観だけで決めつけるのも ……
目を閉じてあらゆる考えを探そうとしたと同時に突然音が止む。
んっ、あれ?
目を開け、思考の渦から出ると女の子とバッチリ目が合う。