願わくば溶けて
『でも、成人したらその約束解除とかあるかもしれないじゃないですか?』
「いや、そんな都合の良いことありませんって」
「…… もし、万が一、億が一あったとしても僕では彼女を幸せにできないんですよ」
「彼女が幸せを掴む障害に僕がなっちゃいけないんです」
「だから、アタックはしません」
『本心は?』
「―― っ、…… とか普通に言えるそんな器の大きな男になりたいです」
『ありがとうございました』