願わくば溶けて



「ここで静かに泣くならどれだけ泣いてもらってもいいんですけどね」



「すっ、すみません」



彼女はフローリングでの土下座を止めて絨毯の上に正座し、温かいお茶を1口飲む。



「…… あの、弘人さん」



「はい?」



やっと落ち着きを取り戻し始めた彼女。



良かった、何はともあれ落ち着いてくれて……



「ここって飲食OKですか?」



「?はい?」



いや、やっぱり落ち着いてなかったかもしれない。



「えっ、あの飲食」



「いや、言ってることは分かりますよ。言ってる“こと”はただちょっと意味が…… 理解しかねるというか」


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