願わくば溶けて


「……」



遠慮の方向性が全く違う!



えっ、遠慮するとこそこなの?



玄関前で泣いて家の中までズカズカ入ってきて遠慮はそこなの?



やっぱ変な子だわー。



「うーん。そこは僕は全然構わないですけど」



「そ、それは良かったです」



僕の答えにパッと彼女の顔が綻ぶ。



謙虚なのか図々しいのか。



僕は心の声をなんとか抑える。


「えっと、じゃあ食べますね」

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