最初で最後の恋をする
「何って……身体が冷えたからお風呂に入って、動物番組のテレビを見て、お話して、寝たよ。
特に、これといって何も……」
「やはり、想定外だ……」
「冴木?」
「みやび様。
今、貴女の心の中、厘汰様でいっぱいですよね?」
「え……?」
「先程、僕が代弁した感情で、いっぱいなのでは?」
「それは……」
「みやび様。
それが“好き”という感情ですよ」
「え?」
「僕は正直、みやび様の心を手に入れる自信がありました。
厘汰様とは、たった一・二ヶ月程度の関係。
それに比べて、僕とは何年にもなる。
僕の方が、みやび様のことを何でも知っていると……
でも、貴女はそのたった一・二ヶ月程度の関係の厘汰様に日に日に心が奪われていた。
知りたいという感情が、もっともっとって加速していき、いつの間にかもっと一緒にいたいと思うようになっていた。
そしてホテルに二人きりでいて何もなかったのに、もう既に会いたがっている。
まさか、ここまで厘汰様に惚れているなんて……
こんなのを見せられたら、僕は引き下がるしかありません」
「冴木…私……」
「みやび様」
「え?」
「もう一度、聞きますね」
「え?」
「僕は貴女の本心が知りたい」
「………」
「厘汰様に、会いたいですか?」
「………会いたい!!」
「そうですか……
では!これを……」
みやびにスマホを渡す。
「え?冴木?」
「そのお気持ちを、厘汰様に伝えるべきです」
「うん!」
みやびは、厘汰に電話をかけた。
『もしもし?みやび、どうした?』
「厘汰」
『ん?』
「会いたい」
『…………え…?』
「会いたいの」
『みやび…?』
「厘汰に、会いたい!!」
『…………わかった。すぐに会いに行く!
待ってて!』
もう……みやびに、迷いなんてなかった。
「冴木」
「はい」
「……………やっぱり、冴木は“お兄様”」
「え?」
「とっても、大切な人だけど……お兄様なの」
「はい」
「ありがとう、諭してくれて!」
「みやび様…」
「ありがとう!!」
みやびは、真っ直ぐ冴木を見つめ微笑んだ。
そして部屋を出ていった。
「…………お兄様…か…」
みやびが出ていったドアを真っ直ぐ見つめ呟く、冴木。
そして、部屋を出て國枝(みやびの父親)の書斎に向かった。
「旦那様、お話があります」
「入れ」
「はい、失礼いたします」
「…………みやびを諦めるのか?
あんなに、愛しているのに……
お前は、みやびに人生を捧げたのに」
入ってきた冴木の表情を見て、國枝は言った。
特に、これといって何も……」
「やはり、想定外だ……」
「冴木?」
「みやび様。
今、貴女の心の中、厘汰様でいっぱいですよね?」
「え……?」
「先程、僕が代弁した感情で、いっぱいなのでは?」
「それは……」
「みやび様。
それが“好き”という感情ですよ」
「え?」
「僕は正直、みやび様の心を手に入れる自信がありました。
厘汰様とは、たった一・二ヶ月程度の関係。
それに比べて、僕とは何年にもなる。
僕の方が、みやび様のことを何でも知っていると……
でも、貴女はそのたった一・二ヶ月程度の関係の厘汰様に日に日に心が奪われていた。
知りたいという感情が、もっともっとって加速していき、いつの間にかもっと一緒にいたいと思うようになっていた。
そしてホテルに二人きりでいて何もなかったのに、もう既に会いたがっている。
まさか、ここまで厘汰様に惚れているなんて……
こんなのを見せられたら、僕は引き下がるしかありません」
「冴木…私……」
「みやび様」
「え?」
「もう一度、聞きますね」
「え?」
「僕は貴女の本心が知りたい」
「………」
「厘汰様に、会いたいですか?」
「………会いたい!!」
「そうですか……
では!これを……」
みやびにスマホを渡す。
「え?冴木?」
「そのお気持ちを、厘汰様に伝えるべきです」
「うん!」
みやびは、厘汰に電話をかけた。
『もしもし?みやび、どうした?』
「厘汰」
『ん?』
「会いたい」
『…………え…?』
「会いたいの」
『みやび…?』
「厘汰に、会いたい!!」
『…………わかった。すぐに会いに行く!
待ってて!』
もう……みやびに、迷いなんてなかった。
「冴木」
「はい」
「……………やっぱり、冴木は“お兄様”」
「え?」
「とっても、大切な人だけど……お兄様なの」
「はい」
「ありがとう、諭してくれて!」
「みやび様…」
「ありがとう!!」
みやびは、真っ直ぐ冴木を見つめ微笑んだ。
そして部屋を出ていった。
「…………お兄様…か…」
みやびが出ていったドアを真っ直ぐ見つめ呟く、冴木。
そして、部屋を出て國枝(みやびの父親)の書斎に向かった。
「旦那様、お話があります」
「入れ」
「はい、失礼いたします」
「…………みやびを諦めるのか?
あんなに、愛しているのに……
お前は、みやびに人生を捧げたのに」
入ってきた冴木の表情を見て、國枝は言った。