最初で最後の恋をする
「貴方がた“も”?」

「てことは、君も?」
「はい!
フフ…なんだか、嬉しい!パーティー会場で、同世代の人とお話しできるなんて……!」
微笑み言った、みやび。

「「………/////」」
みやびの可愛らしい笑顔と、優しい雰囲気に今後は厘汰や武虎の胸がトクンと鳴る。

「……………なぁ、あんた…名前は?」

「え?私は、國枝 みやびです」

「國枝!?
じゃあ、君が、國枝の姫!?
スッゲー可愛いから、どっかの令嬢だとは思ってたけど、あの噂の姫だったとはな……!
俺は、花菱 武虎!よろしくね!みやび!」
武虎が驚愕して、みやびに向き直った。

「あ、はい!花菱さん、よろしくお願いします!」

「えー!花菱さんじゃなくて、武虎って呼んで?
敬語もなし!俺達、タメでしょ?」
「あ、うん。武虎」
「ん!それで、よし!」

「貴方は?」
みやびは、厘汰に向き直り微笑んだ。

「俺は━━━━」


「みやび様!!」
そこに冴木が現れ、呼ばれる。

「あ、冴木!」
「勝手にお一人にならない様、いつも言ってますよね!?
参りましょう!お父様も、心配されますよ!」
みやびの元へ来て、手を差し出した。

「うん。
ごめんなさい、私行かないと……」

みやびが立ち上がり、冴木の方へ行こうとする。
すかさず、厘汰がみやびの手を掴んだ。

「え……」


「波牙 厘汰」

「え……!!?」

「俺は、波牙 厘汰!よろしくな、みやび!」



これが運命とも言える、厘汰とみやびの出逢いである。

厘汰の存在で、みやびは本当の“好き”という感情を知ることになる。


“胸が苦しくなって、抱き締めて放したくないって思って、閉じ込めてしまいたくなる”

厘汰に出逢ったことでみやびは色んな感情を知り、自分が今まで走っていたレールにはない沢山のことを知っていく。




そして厘汰も━━━━━━━

ある出来事のせいで、本気で人を愛さないと誓っていた厘汰。


みやびに出逢い、最初で最後の恋を知ったのだ。




日に日に心が奪われていく、厘汰とみやび。




これは恋を知らない、最強の男・厘汰と箱入り娘・みやびの………



苦しくて、痛くて、でも熱くて深い愛の物語である。






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