これは、ふたりだけの秘密です
真理亜を寝かしつけたあと、怜羽はぼんやりとリビングのソファーに座り込んでいた。
「どうした?」
シャワーを浴びていた郁杜がリビングにやってきた。
「ここ数日、疲れただろう。もう横になった方がいい」
「ええ……。でも、眠れないと思うの」
「少しでも休まないと……ほら、シャワーを浴びておいで」
郁杜が心配してくれているのがわかったので、彼の言葉に怜羽は素直に従った。
「はい……」
怜羽がゆっくりシャワーを浴びてリビングに戻ったら、郁杜がソファーに座っていた。
「郁杜さん……どうしたの?」
声をかけると郁杜が静かに立ちあがった。
「おいで」
怜羽は郁杜の側にゆっくりと歩み寄った。
彼は怜羽の肩に手をかけると、一緒に寝室へ行こうとする。
「あ、あの……」
「今夜はふたりで過ごそう」
怜羽は、もうなにも言わなかった。
主寝室にふたりで入ったのは初めてだ。
大きなベッドに誘われるように怜羽が横たわると、
郁杜も彼女の横にやってきて後からそっと抱きしめられた。
「目を閉じて……」
怜羽は言われるまま目を閉じると、背を郁杜の胸に押し付けるようにして少し丸くなった。
その身体を一度ギュッと抱きしめてから、郁杜がゆっくりと被さってくる。
怜羽の首筋に、彼の唇がそっと触れた。
「怜羽……」