これは、ふたりだけの秘密です
少し離れた場所で、日菜子がじっと立って怜羽を待っていた。
「日菜子さん、どうしたの?」
「怜羽さま……」
どうやら話を聞いていたらしく、日菜子はもじもじとエプロンの裾を引っ張ている。
「真理亜さまにミルクが必要かどうかお聞きしようかと思って……」
「お願いしようかな。私の部屋で作ってもらえる?」
怜羽は、このまま廊下には居づらいだろうと日菜子に声をかけた。
「はい!」
真理亜を抱いた怜羽の後を、日菜子がお供のようについて行く。