これは、ふたりだけの秘密です
「そうね……日菜子さんはこの家に来てまだ三ヶ月だものね……」
ホーッとため息をついて、怜羽が真理亜を抱いてソファーに腰掛けた。
ミルクを作りながら、日菜子がうんうんと頷いている。
「ざっくりだけど、話しておくね。私と家族の関係……」
真理亜をあやしながら、怜羽が子供のころの思い出を話し始めた。
もちろん、自分では生まれた頃のことなど覚えていない。
祖父母から聞いたり、大人になってからわかったりしたことが沢山あったのだ。
そんなことを日菜子にとりとめなく話した。
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怜羽を産んだ後、母親の和泉は体調を崩して子育てが難しい状況になった。
倫太郎はこの屋敷に乳母を招いて怜羽を育てることも考えたが、
それでは和泉が休まらないだろうと、父方の祖母が預かって育てると言いだしたのだ。
和泉にとって、あまり仲のよくなかった姑だ。