これは、ふたりだけの秘密です
   

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ドアを開けて入ってきた怜羽を、郁杜はまじまじと見つめてしまった。

「やあ」

昨夜、いきなり自分に爆弾を投下した小松原家の次女。
よく見たら可愛らしい顔をしているが、この家では異質な感じがした。

親友の孝臣や仕事相手の彩乃とは全く違う容姿だし、性格も似ていなさそうだ。
知性より感情で動くタイプの人間に見える。

「どうしてここに?」

思った通り、いきなり直球で尋ねてきた。

「君が、とんでもない発言をしてくれたからね」
「あなたの子どもだって言うのが気に入らなかったんですか?」

「君が勝手に考えた嘘なんだろう?」
「いいえ」
「だが……」

「あの写真が証拠なの。真理亜の父親は、あ・な・た」


なんて反論しようかと郁杜が考え込んだ時、応接室のドアが開いた。

「どういうことだね?」

そこには静かな怒りをたたえた小松原家当主、倫太郎が立っていた。




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