これは、ふたりだけの秘密です


翌朝、怜羽は真理亜に新しく作っておいた淡いピンクのトップスを着せた。
今日も真理亜はご機嫌だ。
新しい服が気に入ったのか、着替えを嫌がらず嬉しそうにしている。

「真理亜さま、色が白いから淡い色がお似合いですよね」
「そうかな」

小笠原家の怜羽の部屋で、日菜子が出かける準備を手伝ってくれている。

「今日はどちらへお出かけですか?」
「チョッと……」

片岡家に招待されたとは言いにくかった。
しかも、今日はこの家でなにか集まりがあるらしい。

「今日、お出かけになって大丈夫ですか?」

今日がなんの集まりなのか誰からも知らされていないから、
日菜子に言われても、いまひとつ怜羽にはピンとこない。

今さらなにがあるのか聞いても、怜羽は出掛けるのをやめるつもりもなかった。


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