これは、ふたりだけの秘密です


「いつものことよ。私がいない方が家族が寛げると思うから」
「怜羽さま……」

それきり黙って、日菜子はマザーズバッグに替えのオムツや細々とした物を詰め込んだ。

「日菜子さん、迎えの車が来たら教えてもらえる?」
「わかりました。あ、お車ならシートを準備しておきましょうか?」

日菜子が気を利かせてくれた。
郁杜は赤ちゃんを車に乗せるのに、チャイルドシートが必要だとは知らないかもしれない。

「そうね、念のために用意しておいたほうがいいかも」

真理亜は動きも活発になってきたし、そろそろお座りも出来る。
大人しくチャイルドシートに座ってくれたらいいのだけどと、
怜羽は少し心配になってきた。



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