これは、ふたりだけの秘密です
真理亜もご機嫌で皆が注目する中、よく動いている。
口もとが汚れていたので怜羽が涎をタオルでふき取ってやると、
またケタケタと笑いながら寝返りをうつ。
優杏が怜羽の持つハンドタオルの模様に気がついた。
「それ、人気のタオルですよね」
怜羽が手掛けている猫のプリントのシリーズに優杏が気づいたようだ。
「事務所の若いスタッフがその猫の模様のグッズを集めているんです」
「嬉しいです。ありがとうってお伝えください」
優杏がキョトンとした。
「あ、これ私がデザインしているものなんです」
怜羽は自分がフリーのテキスタイルデザイナーで
最近は雑貨や文具にもデザインの幅を広げている話をした。
Webデザイナーの優杏とは話が合うのか、話題が広がっていく。
「君、デザイナーなのか?」
話を聞いていた郁杜が間延びした声を出した。
「これが君のデザインだって?」
真理亜を寝かせているバスタオルの模様にも気がついたようだ。