【完結】私、実はサレ妻でした。


「僕が今日聞いたんですよ、彼女に。素敵な指輪ですねって。 そしたら彼女、彼氏からもらったんですって嬉しそうに言ってましたよ」

「えっ……。彼氏から、もらった……?」

 それってやっぱり、夫からのプレゼントってこと……?

「そんな……っ」

 まだ受け入れられない、信じられない……。
 信じたくないーーー。

「やはりあの様子では、あの二人は付き合っていること間違いないでしょう」
 
「……そう、ですか」

 私はそれを聞いて、呆然とした。

「ですがそれだけでは証拠としては薄いので、もう少し詳しく調べてみます。 また何か分かりましたら、ご連絡致しますので」

「……はい。よろしくお願いします」

 電話を切った私は、そのままにソファに座り込んだ。

「……指輪、プレゼント……」

 まさか夫は、あの円香という女にプレゼントまでしていたんだ……。
 しかも指輪をーーー。

「……許せない、本当に」
 
 私という妻がいながら、他の女にも手を出していた。
 円香と名前を呼ぶということは、そのくらい親しい間柄だということだ。
 夫はもう、もしかしたら何度も円香を抱いているのかもしれない。

 ……そう思うと、すごくしんどいと思った。
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