【完結】私、実はサレ妻でした。


 昨日夫が私を抱いたのも、浮気に対する罪悪感を感じないため?
 自分が他の女とセックスをしていると悟られないために、私を抱いたということなの……?

 夫に抱かれてる時は、私も気持ちよくて、夫に愛されていると感じている。
 ……でもそれは、夫にとっては浮気していることを悟られたくないから、なんだと思った。
 
 私を抱いたのも……夫にとっては儀式的みたいのものだったってこと?
 もしそうなら……私は夫を許せない。

「宍倉、円香……」
 
 夫の浮気相手は、どんな人なのか分からない。
 でも分かるのは、人の旦那を奪う最低な女だと言うことだけだ。

 私は怒りでどうにかなってしまいそうだった。 拳を握りしめ、グッと唇を噛みしめる。 
 
「……っ」
 
 ねぇあなた、私はあなたの何だったの……?
 私はあなたのために、色々と尽くしてるつもりだった。

 それなのに夫は、私を裏切ったかもしれないなんてーーー。
 もしそうなら……。

「……絶対に許せないからね、あなた」

 私はあなたと離婚して、子供たちも私が育てるから。
 あなたは父親としても、夫としても、最低最悪なの。

 ーーー私たちを裏切るって、そういうことなんだからね。
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