【完結】私、実はサレ妻でした。

【夫への信頼】



「あ、奥様ですか。四葉です」

 それから数日後の休日。夫は友人と前から約束していた釣りに行くと、朝早くに出かけていった。 
 それすらも怪しいと思う私は、探偵の四葉さんに夫のスケジュールを伝えていた。 

 もしかしたら、宍倉円香と会うかもしれないと考えたからだ。

 私は子供を連れて両親の所へ行っていた。
 両親に子供と遊んでもらっている内に、四葉さんとの電話を済ませることにした。

「あの、四葉さん……。何か分かりましたか?」

 と深呼吸しながら問いかける私。

「ええ。……旦那様ですが、今日は確かにご友人様と釣りに行くと行っていたんですよね?」

「はい。間違いありません」

「出掛ける時、釣り竿は持っていましたか?」

 そう効かれた私は、頭をフル回転させて、記憶を思い出す。

「……いえ、確かに持ってませんでした」

 確かに釣りに行くなら普通、釣り竿持っていくわよね?

「そうですか。やはり持ってませんでしたか」

「あの、持ってなかったことは……」

 もはや悪い予感しかしない。……何かイヤな予感、それしかしない。

「旦那様ですが。奥様の睨んだ通り、現在宍倉円香と一緒にいます」

「っ……そうですか」
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