【完結】私、実はサレ妻でした。
やっぱり……。やっぱり夫は、宍倉円香と浮気しているのねーーー。
「二人は数分前に、ラブホテルに二人で並んで入って行かれました。……旦那様の車で」
「そうですか。ホテルに……」
やはり二人は、そういう関係なんだ。 宍倉円香と夫は、身体を重ね合う関係ってことなんだね……。
「……やはり、奥様にとってはお辛いことですよね」
私の気持ちを察してか、四葉さんはそう言ってくれた。
「……何となく、そうなのかなって思っていたので。そんなに驚きはしないですね」
「そうですか。では僕たちはこの後も二人を尾行して、証拠写真集めておきますので。……それでは」
「ありがとうございました」
電話を切って子供たちのいる部屋へと戻ると、両親が私を心配そうに見つめていた。
「実乃梨、どうしたの?」
「う、ううん。何でもない」
両親にはあまり心配を掛けたくなくて、あえて明るく振る舞っている。
「友達から電話だったの。今度の休日にランチしないかっていう連絡」
「あら、たまにはいいんじゃない? 子供預けてのんびりしてきたらいいじゃない」
と、母親は言ってくれる。
「でもね……。夫一人で見るのは大変だと思うし」
「いいわよ。子供たちは私たちが見てあげるから、安心して!」
母親は優しいから、私の付いた嘘にまで付き合ってくれる。