【完結】私、実はサレ妻でした。
「ほら、アイス食べるんでしょ?パパの分も出してあげて、空斗」
「はぁーい! パパアイス~!」
「お、パパにもアイスあるのか?ありがとうな、空斗」
空斗と流斗は、パパの隣で美味しそうにバニラアイスを食べていた。
「パパおいしい?」
「ん、美味しいぞ」
「おいしいね、ぼくもおいしいっ!」
子供たちはパパのことが、本当に大好きなんだよね。
離婚したいと言ったら、二人はなんて言うのだろうか。……なんて言ってくれるかな。
離婚しないでほしいって、言ってくれるかな……。
「ママ~パパおさかな、つれなかったんだって!」
「……そうなの?」
「うん! ね、パパ!」
「ああ」
「そっか。残念だねぇ」
魚なんて釣れてるわけがない。 だって夫は、今日一日ずっと宍倉円香と浮気していたんだから。
宍倉円香とホテルに行っていたんだから、釣りになんて行ってないのだ。
「ママ、子供たちお風呂に入れて来ようか?」
「え、いいの?」
「ああ。子供たちも入りたがってるし」
「……じゃあ、お願いしようかな」
「了解!」
傍(はた)から見たら本当にいい夫、本当にいい父親。
……だけどそれは、夫の表の顔。裏の顔は、私以外の女と浮気をしている最低の男なんだ。