【完結】私、実はサレ妻でした。


 しかもこのラブホテルのレシートに書かれている時間は、4月10日の午後15時からとなっている。
 チェックアウトしたのは、その日の夜19時過ぎとなっていた。 

「……もしかしてこれって、浮気?」

 夫は、私たちの予定を嘘をついてドタキャンした挙句、誰か他の女と浮気してたってことよね?
 
「……何それ、許せないわ」
  
 私たち家族という存在がいるのに、夫は浮気してるってこと?
 しかも嘘ついてまで、その女と会っている、なんてーー。



 しかもこの浮気は、つい二ヶ月前のことだ。
 まさかこんな二ヶ月前に、私は浮気されていたということになる。

「……何でよ」
 
 あの人は、私じゃ物足りないって言うの? 

「っ……」

 そんなことを考えているうちに、私は手に持っていたそのレシートをクシャッと握りつぶしていた。

「……あなた、私の何がイケないって言うの?」

 教えてよ、あなた。私はちゃんとあなたのために尽くしてるつもりよ。
 家事もこなして、子育てだってちゃんとやってるわ。

 あなたが私を抱きたいと言えば、私はあなたに抱かれてだっている。
 子供がいても、夫婦の時間はちゃんと大切にしてるつもりだった。 誕生日も結婚記念日も、あなたが毎年お祝いしてくれているから、私はすごく嬉しかったのに。
< 3 / 76 >

この作品をシェア

pagetop