【完結】私、実はサレ妻でした。


 私のことを愛しているなら、何で浮気なんてするのよ……。
 愛しているのなら、普通は浮気なんてしないものでしょ?

 そうだとしたら、私たちのことだけ愛してくれるものなんじゃないの……?

「分からない……。分からないっ……」

 愛してるのは、私も同じ。……でももう、分からない。 
 私は本当に、夫とこの先も一緒に生きていけるのかどうか、そんなの分からない。



 そんなことを考えているうちに、私はいつの間にか眠ってしまったようだった。
 起きたら朝七時を過ぎていた。

「やばっ……!」 
 
 もうこんな時間!? 早く起きないと……!

「おはよう!」
 
「ママ~おはよう!」

「おはよう、ママ~」

 起きてリビングに行くと、夫と子供たちはすでに朝ご飯を食べていた。

「……え?」

「おはよう、ママ。朝ご飯、出来てるよ?」

「あ……ありがとう……パパ」

 夫はトーストを焼きながら、笑顔を向けていた。

「ママはマーガリンにする?それともジャム?」

「じゃあ……マーガリンにしようかな」

 昨日の一件から夫と気まずくなるのは、分かっていた。
 でも子供たちの前でそんな雰囲気を出せないからこそ、いつも通りにする。
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