【完結】私、実はサレ妻でした。


「ただいま」

「……おかえり」

 数分後、夫は戻ってきた。

「……在宅なんて、聞いてないんだけど」

「ごめん、言ってなかったか」
  
 は……? 何なのよ、それ……。

「……実乃梨、昨日はごめん」

 夫は私を後ろからそっと抱きしめてくる。

「何……。触らないでって言ったでしょ……」

「実乃梨、愛してるから。実乃梨のこと、ずっと愛してる」

 そうやって耳元で囁かれた後、夫は私の首元にそっとキスをした。 

「ん、ちょっとっ……。やめてってば……」

 夫のことを避けようとしたけど、力強く抱きしめられてしまい、うまく逃げられなくなった。 

「実乃梨、実乃梨……っ」

 夫は私のソファに押し倒して、熱くキスをしてくる。

「んっ、待っ……てっ……」

 今は夫に触れてほしくない。触れてなんて、ほしくないのに……。

「実乃梨……愛してる」

「やめ……。ダメ……だってばっ」

 何度も名前を呼ばれてしまい、夫のことを押し返せなくなってしまった。

「ちょっと……」

 夫の手は私の服の中に入れて、胸元とそしてスカートの中へと侵入してくる。

「んっ、あなたっ……」

 夫には触れてほしくないと思っているのに、その手を拒むことが出来ないーーー。

「実乃梨……」

「はぁっ……んっ」

 敏感な所に触れられて拒むことの出来ない私は、やっぱり臆病なのだろうか……。
 夫に服を脱がされ、夫も服をせかせかと脱いでいく。
< 32 / 76 >

この作品をシェア

pagetop