【完結】私、実はサレ妻でした。


「んっ……!」

 そしてそのまま、夫は私の中に力強く侵入してくる。

「実乃梨っ……愛してるから」

「あっあっ……んっ」

 夫が奥深く私の中を突いてくるけど、私は甘くて厭らしい声を漏らすことしか出来ない。
 
「っ……あなたっ……」

 夫とこうして身体を重ねてしまう今、私は夫のことを拒むことを許されないのかもしれないーーー。

「実乃梨っ、もっと乱れてみせて」

「あっ……!」

 正常位の状態で何度も奥を責め立てられ、敏感な所に触れられてしまう。

「ねっ、奏雨……」

「久しぶりに名前、呼んでくれた」

 夫の名前を最後に呼んだのは、いつだっけ……。それすらも覚えていない。

「あっあっ……っ」

 いつしかその快感は、激しい快楽へと変わっていく。夫の身体に抱かれている時は、やっぱり幸せなんだと思ってしまう。

 例えそれが゙錯覚゙だとしても……。

「実乃梨……愛してる」

「はぁっ……っ、んっ」

 夫は私の両手をギュッと絡めて握りしめると、そのまま腰の動きを早めていく。
 そして夫は、私の身体をギュッと抱きしめると、そのまま私の中で限界を迎えた。

「……辛い思い、させてごめん」 

 ソファの上で裸の状態のまま、私を抱きしめる夫。
 今の私には、その体温ですら心地よく感じてしまうのだった。

 夫が浮気していると知っても、私はやっぱり夫のことを、愛しているんだと感じてしまったーーー。
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