【完結】私、実はサレ妻でした。
夫は二人が書いた絵を見ながら、嬉しそうに微笑んでいた。
タイトルは【ママとパパ】だ。
シンプルだけど、二人が書いた私たちは、手を繋ぎあっていた。そしてニコニコと笑っていた。
……あの子たちの目には、私たちはこんな風に写っているんだ。初めてそう思えた。
「……本当に上手に、書けてるな」
「ねぇ。私少し目が大きすぎるけどね」
「それ言ったら俺も、髪ちょっと少ないよな?」
だけどこうして子供たちの書いた絵を見つめながら夫と一緒にいると、ああ私たちはやっぱり家族なんだなって、思える。
それって結構すごいことなんだと思える。家族になるのって、難しいから。
「……ねぇ、あなた」
「ん?」
「子供たちにはね、ずっと笑って生きてって欲しいなって思うの、私」
夫が浮気していたとしても、それは子供たちには関係のないこと。
「……え?」
「子供の成長って日々早くて、すごく驚かさせることばかりでね。今まで知らなかった言葉を急に話したりとか、急に覚えてきたりするじゃない?……でもそれって子供たちにとっては、嬉しいことなんだと思うんだ。何かをまた一つ覚えたことが、あの子たちの喜びになったりするんだと思うの」
母親になって初めて分かる、子供たちの存在の大きさ。
子供たちがいるから、私は頑張れるんだって思える。