【完結】私、実はサレ妻でした。
【確信に変わった時】
「パパ~!おかえり~!」
「あ、パパだっ! おかえりパパ~!」
夫が旅行から帰ってきたのは、それから二日後のことだ。
何も知らない子供たちは、パパに会えたのがよっぽど嬉しいのか、帰ってきたパパに二人して抱きついた。
「お~空斗、流斗!ただいまぁ」
「おかえり、パパ」
私もいつも通りに、夫に接していく。
「ママ、子供たちのこと、面倒見てくれてありがとうな」
「ううん」
そうね。あなたが宍倉円香と不倫旅行に行っている間、私は子供たちのお世話をしていたの、一人で。
あなたが宍倉円香と激しく抱き合っている間、私は子供たちをお風呂に入れて、寝かし付けたのよ。
私は家事をやって、子供たちに料理を作って、子供たちと遊んだりして……。
子供を一人で育てるなんて大変かもしれないけど、私は夫と離婚するつもりでいる。
だから何があっても、負けたくない。
「そうだ。空斗、流斗、お前たちにお土産だぞ~!」
「おみやげ!?」
「わぁーい!おみやげっ!」
夫は空斗と流斗にお土産のおもちゃを二人に手渡した。
「わぁーい!おもちゃだっ!」
「カッコイイ~! しんかんせんだっ!」
「どうだ、カッコイイだろ?」
「うんっ!」