【完結】私、実はサレ妻でした。
「おいしいっ!」
「美味しいよ、ママ」
「ありがとう」
夫も子供たちも、唐揚げが大好きなのだ。 唐揚げの時はみんな食欲が旺盛になる。
だから唐揚げの時は、大量に作ることにしている。
「ママ~からあげおいしいっ!」
「おいしいっ!」
「本当に?良かった」
子供たちが美味しそうに食べている姿を見るだけで、私は幸せだと思える。
子供ってやっぱりいいな。わんぱくだけど、可愛い。
「美味いな、ママの唐揚げ」
「たくさん食べてね」
そして夕飯を食べ終えた後、夫と子供たちはおもちゃを持って嬉しそうにお風呂に入りに行った。
「わぁーすごーい!」
「はしってる~!」
お風呂場から楽しそうな声が聞こえてくる。
「……あ、もしもし、四葉さん?」
「あ、奥様ですか?」
みんながお風呂に入っている間、四葉さんから電話が掛かって来た。
「夜分遅くにすみません。 例の旅行の件なんですけど」
「ああ……はい」
「旦那様と宍倉円香の不倫旅行の写真、かなり撮れましたよ。 これなら確実に、不倫の証拠になるでしょう」
「本当ですか?……ありがとうございます」
やっぱりあの二人は、間違いなく不倫旅行をしていた。やっぱり、睨んだ通りだ。
夫はとことん、私を裏切ってくるーーー。
「ええ。 明日の10時に、また事務所に来てもらえますか?」
「……はい。分かりました」
「では、お待ちしております」
四葉さんとの電話を終えた私は、電話を切って食器洗いを始めた。