【完結】私、実はサレ妻でした。

【突き付けた証拠】



「パパ~あそぼっ!」
 
「おう!じゃあキャッチボールでもするか」

「わぁーいっ!」

 その次の週末、夫に子供たちを預けて、私は宍倉円香の働くカフェに行くことにした。
 この目でしっかり、宍倉円香の顔を見てくるの。そして私は、あなたを更に追い詰めてあげるの。

「パパ、子供たちのことよろしくね」

「おう! 行ってらっしゃい、ママ!」

「ママ~。いってらっしゃい!」

 夫と子供たちには、ママ友とランチに行ってくると伝えていた。
 私は宍倉円香の働くカフェに向かった。

「いらっしゃいませ~」

 カフェ・ベリーズは、ランチ時を少し過ぎていたせいか、少しばかり空いていた。

「お一人様ですか?」

「はい」
 
 宍倉円香ではない店員さんが、私を席に案内してくれた。

「ご注文お決まりになりましたら、こちらのボタンで及お呼びください」

「はい」
 
 運ばれてきたお冷を飲みながら、私はメニューに目を通した。
 
「……いた」

 宍倉円香だ。……やはり写真で見た通りの女性だ。
 体はスレンダーで、胸も大きめ。ロングカールでピンクブラウンの髪。
 間違いなく、宍倉円香だ。 間違いなく、夫の浮気相手だ……。

「……あなたが、宍倉円香」

 夫と情事を交わした、宍倉円香。
 私は近くに宍倉円香がいることを確認し、宍倉円香をボタンで呼んだ。
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