【完結】私、実はサレ妻でした。


「お待たせしました! ご注文お決まりですか?」

 何も知らない宍倉円香は、私の元に注文を取りにやってきた。

「すいません。カフェラテ一つと、ミックスサンドを一つお願いします」

 と注文すると、宍倉円香は「かしこまりました」と注文を繰り返した。
 ……と思ったのだけど。

「……えっ?」

 宍倉円香は私の顔を見るなり、表情を変えた。驚いているような、そんな表情だ。

「あの……。何か……?」

 ねぇ宍倉円香さん。どうして私の顔を見て、表情を変えたの?

「……あ、いえ! カフェラテ、アイスでいいですか?」

「はい。お願いします」

「かしこまりました。……少々、お待ちください」

 宍倉円香は少し眉間にシワを寄せていた。 

 そして私の顔を見て、宍倉円香は表情を変えていた。
 ……もしかして彼女は、私のことを知っている?
 
「だとしたら……」

 だとしたら、宍倉円香の表情が変わったのも頷ける。……あの人は多分、私が妻だということを知っている。
 だから私のことを見て、きっと驚いていたんだ。……それしか、考えられない。

「お待たせ致しました。カフェラテでございます」

 そう思っていた時、宍倉円香がカフェラテを持って私の元にやってきた。
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