【完結】私、実はサレ妻でした。
「ほら、アイスだよ」
「アイス~!」
夕飯の肉じゃがを作りながら、私は考えた。 いつ離婚しようか、と。
まだ離婚はしないと決めていたけど、それでも早く離婚したい気持ちがあるから。
私はもう負けない、私は強くなる。そう決めたんだからーーー。
「みんな、夕飯出来たよ~」
「わぁーい!」
「おなかすいたっ!」
「はい、食べる前には手を洗うよ~!」
子供たちにそう言うと、子供たちは「はぁーい!」と返事をして、洗面台の方へと走って行った。
「では、いただきます」
「いただきまぁーす!」
「いただきまぁーす!」
子供たちはよほどお腹が空いていたのか、勢い良く肉じゃがを食べ始めた。
「うん、おいしいっ!」
「ママ、おいしい~!」
「な、美味しいな?」
子供たちも夫も、私の作る料理をいつも美味しいと食べてくれる。
その光景だけを見たら、それは楽しい家族像に見えるのだ。 なんてことない、いつもの風景だけど。
ーーーそれももうすぐ終わる。 私たちは、離婚するの。別々の道に進むんだ。
ねぇあなた、私はあなたを絶対に許さない。 私たち家族を、私を深く傷つけたこと、絶対に許さないからね。
あなたは私の心まで、ズタズタにしたんだから……。