【完結】私、実はサレ妻でした。


「当たり前でしょ?それも全部、知ってるわよ!……もしかしてあなた、彼女に私と離婚するから一緒になろうとか言ったりしたの?」

 もしそうなら、本当にクズすぎる。クズすぎて、本当にムカつく。
 ……私があなたと結婚したのは、間違いだったかもしれないわね。

「それは……っ」

「……あらそう。やっぱり言ったんだ?」

「違う。そんなことは言ってない! 円香が、円香が俺に離婚してくれって、ずっと言ってたんだよ……。俺と結婚したいからって……」

 そう言われても、私は夫のことをもう信用出来ないから、それすらもウソに聞こえる。

「……そんなの信じられない」

「本当だ! 俺はアイツに、何も言ってない……!」

「そんなこと信じろなんて……。無理言わないでよ!」

 あなたは私を裏切った、それが事実なの。それ以上のものは何もない。
 あなたが浮気をした。あなたが私たち家族を裏切った。

 あなたが私たち家族を壊したことが、紛れもない事実なの。

「本当に、本当に済まなかった……」

「何度謝られても、私は許すつもりはないから。あなたのしたことは、私たちへの裏切り行為だもの。……私たちの関係をこんな風に壊したのは、あなた自身よ」

「分かってる……。許してほしいとは、思ってないよ……」
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