【完結】私、実はサレ妻でした。


「みんな、お待たせ~。オムライス出来たよ~!」

 お昼になり家族全員分のオムライスを作った私は、リビングで遊んでいる子供たちにそう声をかける。 

「わぁーい!」 

「オムライス!」

 嬉しそうにキッチンへとやってくる子供たちと、夫。

「おいしそう~」

「ね、おいしそうだね」

「食べましょうか」

 それぞれの位置に座り、手を合わせていただきますと言ってからオムライスを食べ始める。

「ママ、おいしいっ!」
 
「おいしいっ!」

「本当に?良かった~」

 子供たちは美味しそうに二人並んで、オムライスを頬張っていく。

「空斗(あきと)、ほっぺたにご飯粒が付いてるぞ?」

「え?どこ~?」

「空斗、反対」

「あ、ほんとだ!」

 長男の空斗(あきと)。空斗はとてもいい子で、本当に心の優しい子だ。
 時々、弟である流斗(りゅうと)を泣かせてしまうなどもあるけど、ちゃんと弟の面倒をよく見てくれる優しいお兄ちゃんだ。

「あ、流斗。グリンピース残しちゃダメだよ」

 次男の流斗はグリンピースが苦手で、グリンピースが入っていると分かるとすぐによけてしまう。
 好き嫌いなく食べてほしいと思っているのに、何か上手くはいかないものだ。

「だってキライなんだもん!」
 
 そして嫌いな物が出ると、いつもそう言ってくる。
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