【完結】私、実はサレ妻でした。
【決意の離婚】
「……え? 俺が……円香の名前を?」
「そうよ。あなたは一度だけ、私以外の名前を呼んだのよ。……その時私、どんな気持ちだったと思う?」
私は夫に投げかけた。
「私は一体あなたにとって何だったのかって、そう思ったのよ。……こんなに惨めなことは今までなかった。あなたに浮気されていると知っても尚、離婚したくないって思った。……でもやっぱり、それは無理だった」
私はソファにうなだれるように座った。
「浮気してるも知って、一度はあなたを許そうとも思った。……でもやっぱり、惨めになるだけだった。例えばあなたを許しても、あなたはまた同じことをするかもしれない。そう思ったら、やっぱり許せなかった……」
私はあなただけに愛されていると思っていたのに、あなたに裏切られたことで私はさらに惨めになった。
子供を二人抱えて、私は生きていかなければならない。
子供たちに楽しく生きていってほしいから、私はクヨクヨする訳にはいかないの。
「私は母親よ。でもそれ以前に、私は女なの。……心も精神的にもズタズタにされて、崩壊寸前なのよ?あなたにしてみたら、そんなのはほんの一握りでしかないかもしれない。 でもね私は、やっぱりあなたに愛されたかった……」
その気持ちは本当に変わらない。 大好きな人を奪われて、精神的にもズタズタにされて。
私にはもう、あなたと一緒に生きる意味なんてないの。