【完結】私、実はサレ妻でした。


 そして夫は、そう言って悲しそうに笑ったーーー。




◇ ◇ ◇


「空斗、流斗、ちょっとここに座ってもらってもいい?」

 そして私たちは、ついに離婚することを決めた。

「ママ、どおしたのお?」

 空斗が不思議そうに、私に問いかけてくる。

「あのね、二人にちょっと話があるの」

「おはなし?」

「うん。聞いてくれる?」

「うん」

 私たちは子供たちに、離婚することを話した。

「あのね……実はパパとママね、お別れすることになったの」

「おわかれ?」

「そう。ママとパパは、これから別々に暮らすことになったんだ」

 子供たちにそう言うと、空斗は「なんでえ?」と不思議そうに聞いてくる。

「ママとパパ、もうあえないのお?」

 流斗も私にそう問いかけてくる。

「会えなくはないけど……。毎日は一緒にいられないの」

「えぇ……。パパともうあそべないの?」

 空斗と流斗のその悲しそうな表情が、私の胸を余計に辛くした。

「……ごめんな。空斗、流斗」

「そんなのやだっ! ぼく、パパともっとサッカーしたいっ!」

「ぼくもっ! パパとはなれるのはやだっ!」

 こうなることは、私も夫も想定していた。……でもやっぱり、辛い。
 これが現実なんだと思い知らされる。
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