【完結】私、実はサレ妻でした。


「ママ!パパとおわかれなんてやだっ!」

「やだっ! なんでおわかれしちゃうの?」

「……ママとパパは、もう一緒にいられないんだ。ごめんね、二人とも」

 こんなことを子供たちに言うのは、残酷すぎる。……でもやっぱり、言うしかない。

「二人とも、これからはママと一緒に住もうね。じぃじとばぁばのお家で、みんなで一緒に暮らそうね」

「えぇ……」

「ママと、じぃじとばぁばと?」

「そうだよ」

 子供たちにはやっぱり……父親は必要だと思う。
 でもやっぱり、残酷すぎるかな……。子供には苦だよね、こんなの……。

「パパはどこにいくの?」

 と空斗が夫に問いかける。

「パパはここにいるよ。ここに住むから」

「ママ、パパとはまたあえるよね?」

「あえるよね?ママぁ」

 空斗と流斗はパパっ子だから、パパに会えないのがよほど寂しいのかもしれない。
 また一緒にサッカーしたり、おもちゃで遊んだりしたいに決まってるよね……。

「……そうね。また会えるよ」

「ほんとお?」

「本当だよ」

 子供には父親が必要なのは、私だって分かっている。
 そんなことは充分分かっているのよ、私だってーーー。
< 66 / 76 >

この作品をシェア

pagetop