【完結】私、実はサレ妻でした。
「ママ!パパとおわかれなんてやだっ!」
「やだっ! なんでおわかれしちゃうの?」
「……ママとパパは、もう一緒にいられないんだ。ごめんね、二人とも」
こんなことを子供たちに言うのは、残酷すぎる。……でもやっぱり、言うしかない。
「二人とも、これからはママと一緒に住もうね。じぃじとばぁばのお家で、みんなで一緒に暮らそうね」
「えぇ……」
「ママと、じぃじとばぁばと?」
「そうだよ」
子供たちにはやっぱり……父親は必要だと思う。
でもやっぱり、残酷すぎるかな……。子供には苦だよね、こんなの……。
「パパはどこにいくの?」
と空斗が夫に問いかける。
「パパはここにいるよ。ここに住むから」
「ママ、パパとはまたあえるよね?」
「あえるよね?ママぁ」
空斗と流斗はパパっ子だから、パパに会えないのがよほど寂しいのかもしれない。
また一緒にサッカーしたり、おもちゃで遊んだりしたいに決まってるよね……。
「……そうね。また会えるよ」
「ほんとお?」
「本当だよ」
子供には父親が必要なのは、私だって分かっている。
そんなことは充分分かっているのよ、私だってーーー。