【完結】私、実はサレ妻でした。
「パパはひとりでさみしくないのお?」
「そうだな……。そりゃあ寂しいよ」
私だって、夫との日々を思い出すと泣きたくなる。
楽しい思い出もたくさんあるから、忘れられる訳はない。
夫との思い出も、子供たちとの思い出も、私にとっては全部宝物なの。……全部全部、大切な宝物。
大切な物しかないから、だからこそ辛いの……。
「ぼく、ママとパパとみんなでいるほうがたのしいよ」
「ぼくも! ママもパパも、だいすきだよ」
子供たちからそんなことを言われた私は、堪えていた涙が抑えきれなくなった。
「ママぁ……?」
「ママ、だいじょーぶ?」
子供たちからの愛の言葉は偉大で、気が付けばとめどなく涙が溢れてきた。
「ごめんね、二人とも……」
「ママ、なかないで」
「ママぁ……」
子供たちが私のそばに来て、慰めてくれる。
「空斗、流斗。パパは離れてても、お前たちのことが大好きだぞ。お前たちはパパの大切な宝物なんだからな」
「パパ、ぼくもパパのことだーいすき!」
子供たちがこんなに私たちを愛してくれている。だからこそ私たちは、子供たちに寂しい思いをさせてはいけないんだ。
子供たちには笑っていてほしい。 ずっと元気でいてほしい。